帰去来
絶好の行楽日和でしたね。
1日を除き、お仕事でしたが
貴重なお休みの一日は
横浜を散策してきました。
ベイエリアを見渡せる公園のベンチで
お弁当をひろげてのランチ。
木陰の風が心地よく
最高に気持ちいい♪
北京オリンピックの開会式で
花火の演出にかかわったことでも知られる
現代美術家のスーパースターとも称される
蔡國強(ツァイ・グオチャン)。
先日、火薬ドローイングの
創作風景をTVで偶然見て興味を持ち
横浜美術館で開催されている展覧会へ足を運んできました。
写真は、美術館のエントランスホールに掲げられてる
巨大な火薬ドローイング
「夜桜」。
横浜市民のボランティアも一緒に制作。
美術館のエントランスホールで
火薬を爆発させ完成させたもの。
(よくも、屋内で大量の火薬を爆発させ
消防法などでひっかからなかった、
と変なところで感心しちゃいます、笑)
*****
蔡國強の作品は火薬の爆発により
生み出される絵画や、花火
また、壮大なスケールのインスタレーションなどで知られる。
火薬や漢方といった中国の伝統文化に由来する素材を
作品に取り入れ、風水の思想を作品の根底に据えるなどして
東洋的世界観とスペクタルとが融合するその作品は
世界的にも高い評価を受けている。
(横浜美術館 解説より抜粋)
*****
写真がなく残念なのですが
磁器のレリーフの作品「春夏秋冬」がまた素晴らしい!
火薬をつかった、その爆発的なエネルギーに圧倒されつつも
四季折々の草花や鳥、そして昆虫などの
繊細な磁器のレリーフに息を呑む。
火薬で炭化された作品は水墨画のようでもあり
炭化された瞬間に
永遠にその美しさと命を留めておくことを許されたかのようでもあり。
なんて神々しい作品なのでしょう。
240ピースの磁器レリーフの前で
しばし立ち尽くす。
日本初公開となる近年の代表作「壁撞き」(かべつき)。
99匹もの狼のレプリカが一斉に同じ方向にある
見えない壁に向かい失踪しては飛び
その壁に阻まれて崩れ落ちてはまた走り続けるという
全長40メートルにも及ぶ大作。
展示会場に一歩入ると
まずそのスケール感に
「圧巻」の一言。
展示室奥手にはガラスの板(見えざる壁)が設置。
それに向かい狼達は空を飛び突進するのですが
その見えざる壁の高さは
かつて東西ドイツを分離していた
ベルリンの壁と同じに設定されているそうです。
そして、「99」というのは
中国の道教において
「永遠に循環する」という意味をもつ数字だそう。
「狼」は英雄、正義、孤独の象徴とされ
東洋では神格化されることもある。
*****
狼たちはガラスの壁に当たって落下するが
立ち上がり群れの後ろについて何度でも壁に向かって挑みかかる。
私たちの周囲には、文化や思想の目に見えない壁があります。
狼たちはその壁を越えようと、あきらめずに挑戦し続けているようにも見えます。
「見えざる壁」に挑み続けるオオカミの姿は、人間社会を象徴しているかのようです。
(横浜美術館 解説より抜粋)
*****
その創意のメッセージを知り
展示会場の狼たちと一緒に同じ方向に歩き始めると
なんだか群れの中の1匹になったような感じになり
身体中がゾクゾクしました。
*****
タイトルの「帰去来」は
中国の詩人、陶淵明
「帰去来辞」から引用しています。
官職を辞して、故郷に帰り田園に生きる決意を表したこの詩は
現実を見つめ、己の正しい道に戻り
自然に身をゆだねる自由な精神を謳っています。
泉州から日本を経てニューヨークへ渡り
華々しい活動を続ける蔡が、
アーティストとして自由な創作を開始した日本という原点に戻るという意味が
タイトルに示されています。
また、同時に人間としての原点への問いも含まれています。
(横浜美術館 解説より抜粋)
*****
蔡國強氏の作品からのメッセージ性があまりにも強烈だったのか
この日の夜は、99匹の狼達と
走り回る夢をみました。
その昔、以前務めていた職場で流行った!?
「動物占い」というものがあり
私は「狼」だと占ってもらったことがありました。
その特性を言い当てられていたことを覚えているのですが
それ以来、「狼」は他人事に思えないのです(笑)。
蔡國強展「帰去来」
2015年10月18日まで開催。
秋の横浜散策がてら横浜美術館
是非、オススメです!
by houjyouan
| 2015-09-23 14:27
| 日々のこと
東京日野市にある陶芸教室「アトリエ方丈庵」。多摩丘陵を一望できる緑豊かな高台にあります。アトリエに集う生徒さん達の陶芸作品、 手づくりのお料理やお菓子など紹介。 日々の事、器のこと、猫のことなど綴ります。焼きもの作家くつわだりえの作品、個展の紹介もしています。
by houjyouan
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