漱石と猫〜三代の黒猫〜
アトリエ方丈庵を設立した2000年秋
荒れ放題だったアトリエ庭に
ふらっと野良猫が1匹現れました。
とても警戒心が強く
撫でさせてもらえるまでに数ヶ月の時間を要しました。
猫を飼った経験もなく
その警戒心の強さに戸惑いながらも
少しづつ信頼関係を築いてゆけることへの
楽しみもささやかな幸せでした。
その当時通っていたある生徒さんが「ジジ」
と名付けてくれました。
ジブリ映画の「魔女の宅急便」にでてくる黒猫ジジ。
上の写真は、2回目の出産を終えた頃のジジの姿。
まだ、子猫達にお乳を与えていた頃なのでふっくらしています。
アトリエのテラスで日光浴をしてご満悦な表情。
ジジはやがて、陶芸教室の看板娘として
気まぐれなご接待で気ままに働いてくれました。
そしてその一年後
方丈庵の1周年の
記念パーティーを催している最中
小雨ふりしきる中
2匹の子猫を連れて現れました。
20名近い生徒さん達で大騒ぎしている最中にも関わらず
まるで、方丈庵の1周年のお祝いに
子猫をプレゼントしてくれたようでした。
そのうちの1匹が上の写真のフェイ。
母猫そっくりな美しいグリーンイエローの目が印象的な黒猫です。
ジジはその翌年、アトリエの中の押し入れの中で
三回目の出産をし子猫達を育てあげると
またボヘミアン生活へと戻ってゆきました。
2代目の黒猫通信担当はジジの娘フェイが引き継ぎ
方丈庵の看板娘として働いてくれました。
が、フェイはまだ四歳という若さで突然天国へ旅立ちました。
フェイを失った哀しみに打ちひしがれていた頃
おとぎ話のようなのですが
フェイそっくりな野良猫が
自宅庭に現れました。
丁度、フェイの四十九日の頃です。
今でもこの出会いに不思議なものを感じるのです。
この子が現在一緒に暮らすベリー。
フェイにそっくりな美しい目をした黒猫です。
現在の黒猫通信担当
三代目。
「我が輩は猫である」
も夏目漱石が可愛がっていた黒猫がモデルだとか。
昨夜放送されたNHKの歴史秘話ヒストリア
「夏目漱石の妻と猫」
とても興味深かったです。
初代の黒猫が亡くなった後も
夏目家もその後何代にも渡り
福猫と云われる爪まで黒い福猫を
飼い続けたそうです。
精神病を患っていた漱石自身を癒し
漱石に小説を書かせ
家族の絆を深めた黒猫の存在。
私の傍にも既に15年近く
ずっと猫達が、黒猫が寄り添ってくれていることになります。
うれし涙も、哀しい涙も
優しく拭ってきてくれた優しい子達。
私も、夏目家のように
これからも欠かす事無く猫と暮らしてゆきたいと
心の底から願っています。
ジジ、フェイ、ありがとう。
メル、ベリー、ソラ、モモ
これからもずっとずっと
よろしくね。
by houjyouan
| 2015-07-02 23:33
| 黒猫通信
東京日野市にある陶芸教室「アトリエ方丈庵」。多摩丘陵を一望できる緑豊かな高台にあります。アトリエに集う生徒さん達の陶芸作品、 手づくりのお料理やお菓子など紹介。 日々の事、器のこと、猫のことなど綴ります。焼きもの作家くつわだりえの作品、個展の紹介もしています。
by houjyouan
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